「椿の森プロジェクト」の事業計画と期待される効果
Ⅰ.事業計画
1.津波で洗われた土地や伐採跡地への植樹
①種子採取、ポット苗作り、植樹活動
②植樹のための土壌基盤整備
(地元資源+老テクの活用)
2.住民参加・市民参加の推進
①植生調査と育苗のワークショップ
②椿の学びづくり推進協議会との協働
(WAVOC、本庄高等学院、戸山ハイツ、目白大学等)
③防災・減災、植物学等に関するESD
3.椿油の伝統継承と普及啓発
・キリン絞め搾油法の伝統継承ワークショップ
Ⅱ.期待される効果
1.「椿の森」グリーンインフラの形成
①地元植生による防災と減災
防潮林、防風林、法面補強
②魚付林、保健林、椿油原料供給林、その他気象緩和
③三陸ジオパークのサイト化
④三陸復興国立公園
「潮風トレイル」へのツバキ隧道
2.魚付林を背景としたブランディング
①前浜ブランドの海産物
・・・ 地域アイデンティティの補強
②住民による森林管理と浜の清掃活動等
③環境改善と経済的メリット連関の認識
④新しい漁師の生業・生活スタイルの模索
3.生態系サービス向上による生活改善
①椿の森の供給サービスを活かした
持続可能な高齢社会
②漁の労働生産性の向上と地産池消
・・・貧血的地域経済の改善
4.市民住民参加型の活動
①地域社会の健全性、社会関係資本
・・・災害対応能力の維持
②地域社会間、大学、NPOとの協働とネットワーク化
5.高齢者の知恵と伝統技術の活用
①知恵と経験、伝統技術の継承とサバイバル学習
②健康寿命伸長
・・・「津波テンデンコ」の前提
③WAVOCと戸山シニア活動館の育苗
・・・地域福祉と被災地の連携
出典)千葉一(2015)「前浜『椿の森』プロジェクト――エコロジカルな伝承の未来のために」『BIOCITY――防災・減災のためのエコロジカルデザイン』Vol.61:pp.54-61