​​私たちについて(代表理事挨拶)

 2011年の東日本大震災後、気仙沼市本吉町前浜の避難所で、地域で昔から親しまれてきた「椿を植えよう」と、住民の方が声をあげました。その声をもとに、千葉一先生(気仙沼市震災復興市民委員会委員、本社団法人理事)が、被災地沿岸部での防潮林ベルト造成計画を、気仙沼市に提案されました(「海の照葉樹林プロジェクト」)。この計画を、気仙沼市にボランティアで訪れていた早稲田大学ボランティアセンター(WAVOC)が偶然知り、2012年9月から学生たちが定期的に前浜を訪れ、住民や他のボランティアの方々とともに、「前浜椿の森づくり」を推進してきました。

 

 その活動内容は、椿などの種子を前浜で採取し、これを関東で育て、苗木が大きくなった段階で、ふたたび現地で植樹を行うという内容です。その目的は、前浜の自然の再生を通じて、地域の減災効果を高めると同時に、関東での育苗により震災の風化を防ぐことです。同時に、関東と前浜との交流機会を増やし、互いのコミュニティの活性化につなげることも、主たる目的として活動してきました。

 

 参加者は、活動開始当初は大学生が中心でしたが、2013年からは早稲田大学附属の本庄高等学院の生徒たちも、高校敷地内での育苗活動を開始しました。そして2014年からは、「新宿区立戸山シニア活動館」において、大学周辺の地域住民の方々も交えたかたちで、育苗・交流活動が進められてきました。その後も、目白大学や川越総合高校をはじめ、多くの学生や市民の方々にご参加いただいています。また、とくに2019年度からは関東での多世代交流も重視し、戸山地域での家族食堂、食育活動のお手伝いも始めました(「活動年表」をご覧ください)。

 

 そして2020年1月、前浜の「椿の森」の予定地の一部を買い取り、より本格的に私たちの活動を推進するため、一般社団法人カメリア(椿)を立ち上げました(「土地取得計画」をご覧ください)。こうした活動から、私たちは、地域固有の自然を重視した共生社会の実現と、地域交流及び多世代交流を通じたコミュニティの活性化を目的とし、その目的を達成するため、次の事業を行います。

(1)共生社会に関する研究交流とその成果の発信

(2)東日本大震災被災地における植林活動「海の照葉樹林プロジェクト」(宮城県気仙沼市復興計画の一つ)の推進

(3)「海の照葉樹林プロジェクト」に参画する学生団体等の運営支援

(4)食育等を通じた育児・高齢者支援及び地域コミュニティ活性化

(5)行政・企業・大学・NPO等のネットワーク形成

(6)その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業

 3月11日、東日本大震災が起きたあと、私は「今まで自分がやってきた社会哲学という学問が何の役に立つのだろう?」と自問することを迫られました。「とにかく現場を見よう」と、ボランティアとして被災地に入りました。そのなかで、自分も含め、多くの人が被災地以外にいながら関わりつづけられることは何だろうと考え、そのときこの「海の照葉樹林プロジェクト」の存在を知り、上記の支援計画を早稲田大学ボランティアセンターに持ち込んだところ採用されました。

 前浜の方々はよそ者の自分を、同じ志(椿を植える)を持つ仲間としてあたたかく受け入れてくれました。前浜の故郷、そして未来を描く人々の姿勢に、私は外部の研究者の立場からだけではなく、少しでも当事者に近い立場としてこの活動に関わりたいと考え、前浜の方々との関わりを継続してきました。以上が、私個人がこの活動を継続し、今回、本社団法人を設立した理由です。

 東日本大震災後も、日本では多くの自然災害が続いています。私たちは、千年に一度と言われる東日本大震災の経験を、今後の災害への対応や、その背後にあるコミュニティの希薄化等の社会的課題の解決に活かしていきたいと考えています。本活動により一層多くの方々がご参加いただけるように、椿の種子の無料配布から、本社団法人の賛助会員へのご加入、ご寄付の受付けなど、幾つかの窓口を設けました。一人でも多くの皆さまにご協力いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2020年2月17日

一般社団法人カメリア代表理事

廣重剛史

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